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Kaiju Encyclopedia

想像の中の巨大な存在を、本当に発見できたら、どのような姿をしているだろう。

開始年
2022
進行状況
完了
カテゴリー
存在
媒体
デジタルドローイング
形式
連作
作品数
8点
関連プロジェクト
Shhan

《Kaiju Encyclopedia》は、幼い頃に親しんだ日本の特撮や「怪獣大百科」の記憶を出発点に、現実にはいない巨大な生き物をSHHAN自身の世界に生み出すプロジェクトです。身近な猫の身体を、都市や人間を圧倒する大きさへと広げ、姿や生息する環境の異なる怪獣を、発見し記録するように描いています。

このプロジェクトは、SHHANが子どもの頃に好きだった日本の特撮と怪獣文化の記憶から始まりました。

当時の「怪獣大百科」は、架空の生き物を実在するかのように分類し、紹介していました。名前も姿も大きさも特徴も異なる怪獣が、一つの世界に集まっている。幼いSHHANには、それはキャラクター集というより、どこかに本当にいるかもしれない生き物たちの記録に感じられました。

この記憶を、自分自身のイメージで作り直したのが本作です。出発点は猫。人間のそばで暮らす身近な動物を、人や建築物、都市よりも圧倒的に大きな存在に変え、現実にはあり得ない大きさの生き物が日常の世界に現れた場面を想像しました。

怪獣たちは、同じ姿で繰り返し現れるわけではありません。廃墟や都市の間に巨大な身体を見せるものも、小さな人間の前に現れるものもいます。建物や道路、木、人といった大きさの分かるものが一緒に描かれることで、その規模を想像できます。

人間や建築物は単なる背景ではなく、怪獣の巨大さを測るための物差しになります。普段は人より小さな猫が建物より大きくなると、見慣れた大小の秩序が逆転します。人間は猫を見下ろす側ではなく、全体を一目で捉えきれない生き物と同じ世界に暮らす、小さな存在になります。

ただし、この怪獣たちは必ずしも街を壊し、人間を襲うわけではありません。特撮の巨大な生き物に由来しながらも、戦うためだけのキャラクターではないのです。街に立ち、どこかを見つめ、動き、ときにはただそこにいる。圧倒的な大きさと猫特有の無関心な振る舞いが重なり、怖さと親しみが同時に生まれます。

《Kaiju Encyclopedia》という題名は、完結した一つの物語にまとめるのではなく、異なる怪獣を発見し、記録するという発想から付けられました。

一人の主人公を追う代わりに、こうした巨大な存在がどこかで本当に暮らしていると想像し、その姿を一つずつ集めていきます。それぞれのイメージは、その世界で見つけた場面であり、存在の記録です。有名な怪獣を描き直すのではなく、自分に最も身近な生き物である猫から、新たな怪獣の姿を見いだしています。

《Sleeping Kaiju》では、この考えが特に直接的に現れます。巨大な猫が集落と道路の間を埋めるように眠り、上から見た人間の生活空間は、その身体と比べると小さな模型のようです。

怪獣は何もしません。襲うことも動くこともなく眠っているだけなのに、大きさそのものが周囲の風景を変えてしまいます。人間にとっての集落は、猫にとっては身体を横たえるにも小さな場所になります。

重要なのは怪獣が何を壊すかではなく、まったく異なる大きさの存在が同じ世界にいたら、知っている空間や関係がどのように違って見えるのかということです。

先行する《Shhan》でも、SHHANは巨大な黒猫を繰り返し描きました。一つの存在を物語から取り出し、大きさや形、雰囲気、美しさを探った《Shhan》に対して、本作では複数の巨大な存在と、その暮らす世界を想像する方向へと関心が広がっています。

この関心は、都市や廃墟、人間と巨大な生き物を組み合わせる後の作品にも続きます。見慣れた大小の秩序を変えることで、人間が世界の基準であるという見方を揺さぶります。

《Kaiju Encyclopedia》は、幼い頃の怪獣や特撮を再現するだけではありません。SHHANに最も身近な猫を、人間の尺度では測れない存在に変え、それらが本当に生きているもう一つの世界を想像します。

子どもの頃に開いた怪獣大百科のように、このプロジェクトは、その世界で発見された巨大な存在たちの記録です。

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